外壁塗装を考えたとき、
「なんでこんなに高いんだろう!」
「少しでも安く抑えたい!」
と、思いますよね。
そんなとき、安さで目が行くのが、アクリル塗料ではないでしょうか。
色々な塗料がある中で、1番安価なのがアクリル塗料です。
ですが、多くの塗装業者はアクリル塗料をすすめないので、「高い塗料を売りつけたいので
は?」と思う方もいるかと思います。
少しでも安く抑えたいという方に、事前に必ず知っておいてほしいことがあります。
優良業者ならまず「アクリル塗装をおすすめすることはない」ということです。
なぜ外壁塗装にすすめられないか、アクリル塗装の特徴や他の塗料との違いを分かりやすく
お伝えします。
目次
1. アクリル塗装とは
1-1 アクリル塗料のメリット・デメリットをご紹介!
1-2 他の塗料との比較
2. 代表的なアクリル塗料
まとめ
1. アクリル塗装とは
アクリル塗料とは、主成分が「アクリル系の合成樹脂」である塗料のことです。
アクリル樹脂は、プラスチックの中でも耐久性に優れており、深海探査用の船の窓やボール
ペンやコップなど私たちの生活の身近なところで活用されています。
以前は住宅の外壁塗装や屋根塗装にもよく使われていた塗料です。しかし現在では、より性
能の高いシリコン塗料、フッ素塗料、高機能な塗料が次々に開発され、外壁のメンテナンス
塗装には、現在ほとんど使われていません。
アクリル塗料のメリットとデメリットを以下でお伝えします。
1-1 アクリル塗料のメリット・デメリットをご紹介!
・費用が安い
・カラーバリエーションや種類が豊富
・扱いやすい
アクリル塗料の最大のメリットは、なんといっても費用が他の塗料と比べて最も安いことで
す。
またカラーバリエーションが豊富で発色が良く、塗膜にツヤがあるのも特徴です。
このようなことから、こまめに外壁の色を変えたい方や近いうちに建て替えの予定がある方
には、アクリル塗料の安さがメリットになるでしょう。
・紫外線に弱いため劣化が早い
・塗装表面のひび割れが起きやすい
・塗り替えサイクルが早い
アクリル塗料は、せっかく塗装しても紫外線に弱いため劣化が早く進みます。
そのため、塗り替えサイクルが早いというのが最大のデメリットです。
また一般的なアクリル樹脂は常温では硬く、柔軟性を持たせるために可塑剤が添加されて
います。可塑剤は紫外線によって3~5年程度で徐々に抜けていき、色あせが目立ち始めま
す。長く放置すればひび割れが発生するなど、さらに見た目が悪くなってしまうでしょう。
1回あたりの修繕費用は安く済んでも、長期的に考えると塗り替え回数が増えてしまうた
め、コストパフォーマンスが悪いと言えるでしょう。
1-2 他の塗料との比較
塗料選びで失敗しないためにも、アクリル塗料以外の塗料についても調べる必要があります。
・ウレタン塗料
・シリコン塗料
・フッ素塗料
・無機塗料
それぞれの塗料について比較してみました。
グレードが高くなればなるほど耐用年数は長くなり、金額も高くなります。
アクリル塗料は外壁塗料のなかで低グレードになります。
塗料の種類 | 費用(1㎡あたり) | 耐久年数の目安 |
アクリル | 1,400~1,600円/㎡ | 5~7年 |
ウレタン | 1,700〜2,200円/㎡ | 8〜10年 |
シリコン | 2,300~3,000円/㎡ | 10~15年 |
フッ素 | 3,800~4,800円/㎡ | 15~20年 |
無機 | 4,500~5,500円/㎡ | 20~25年 |
ウレタン塗料
ウレタン樹脂を主成分とする塗料です。
柔軟性があり、密着性の高さが最大の特徴です。
そのため、複雑な外壁にも塗装がしやすいです。
しかし、耐久性が低いため頻繁に塗り替えが必要になってしまうというデメリットがあるの
で、コストパフォーマンスを重視するならシリコン塗料をおすすめします。
シリコン塗料が登場するまでは外壁塗装の主流でしたが、最近では外壁の全面的な塗装とい
うより、特性を生かして家具やフローリング、DIYなど細かい部分の塗装に使われるこがが
多くなってきました。
耐用年数は8年~10年程度。費用は1,700~2,200円/㎡程度。
シリコン塗料
シリコン樹脂を主成分とする塗料です。
最大の特徴は、コストパフォーマンスが優れていることです。
外壁や屋根に使われる塗料のなかで、耐用年数、価格と総合的に見てもバランスが最も良い
塗料です。
価格のわりに性能が優れていることから、現在は外壁塗装に最も多く採用されています。
塗料に迷ったらシリコン塗料を選択しておくのが良いでしょう。
耐用年数は10年~15年程度。費用は2,500~3,200円/㎡程度。
フッ素塗料
フッ素樹脂が主成分とする塗料です。
この塗料の最大のメリットは耐用年数と耐久性の高さです。とても紫外線に強く耐久性に優
れるため、簡単に塗り替えできない大型建築や公共施設でも良く使われます。光沢が長持ち
することから、汚れや色あせにも強いです。
まだ価格が高いため一般住宅などへの普及は遅れていますが、長期で見ると塗り替え回数が
減るためコストパフォーマンスが良い塗料です。
耐用年数は15年~20年程度。、費用は3,500~4,500円/㎡程度。
無機塗料
ガラスや鉱物など無機物を主成分とした塗料です。
紫外線による劣化が起こりにくいのが最大のメリットです。
また親水性が高いため「セルフクリーニング効果」もあります。外壁の汚れを雨水で洗い流
してくれるので、きれいな外壁を保つことが可能です。
ですが無機物が主成分のため、塗装後は非常に硬い塗膜となってしまいます。
そのため、外壁にヒビが入ってしまうと一緒に塗膜もヒビ割れてしまう可能性が高いデメリ
ットがあります。
無機塗料は高性能な塗料ではありますが、その分費用は高くなります。
こちらもフッ素と同様、長期的なコストパフォーマンスを求める人にはおすすめです。
耐用年数は18年~20年程度。、費用は3,500~4,500円/㎡程度。
2. 代表的なアクリル塗料
弾性アクリル塗料
アクリル塗料の塗膜が固くなるというデメリットを改善して、塗膜に弾性を持たせた塗料で
す。塗膜にある程度の伸縮性がつくことで、ひび割れを抑えることができます。
ただし、基本的な特徴に関しては、通常のアクリル塗料と変わりありません。 劣化しやすいことは同じなので、塗装を長持ちさせたい方にはおすすめできません。
ピュアアクリル塗料
アクリル塗料から不純物を完全に排除し、アクリルの純度を高めた特殊な塗料です。
特殊な製法で不純物を取り除くことにより、アクリル塗料の弱点である耐久性を大幅に向上
させました。
汚れやすく、膨れやすいのが難点ですが、耐用年数は12年~15年程度といわれており、フ
ッ素塗料と同じクラスの耐久性と言われています。
ただ、その分価格も高くなっています。 アクリル塗料のメリットである価格の安さは完全に失われているので、従来のアクリル塗料
とは別物と考えた方がいいかもしれません。
まとめ
今回は外壁のアクリル塗料についてご紹介してきました。
アクリル塗料の1番のメリットはやはり安さですが、他の塗料と比べると耐久性が短く、防水性も低いため基本的に住宅の屋根・外壁塗装では使われません。
短期間で色を塗り替えたいと考える人や、価格を抑えた工事を希望する人に向いている塗料と言えるでしょう。
ぜひ参考にしてみてください。
最後までご覧くださり、ありがとうございました。
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